生物の機能美を幅広く紹介したベストセラー本

ウニはすごい バッタもすごい - デザインの生物学 (中公新書)



タイトル 「ウニはすごい、バッタもすごい」

本川達雄(著)
中公新書


「ゾウの時間、ネズミの時間」でおなじみの本川達雄氏が出版した一冊です。


上記の本は哺乳類の代謝エンジンを中心に言及していましたが、今回は昆虫や魚、哺乳類の生態と言った分野を幅広く取り扱った生物学の入門書と位置づけすることができる本です。


この本は特定の生物に限定することなく言及していますが、わたしは哺乳類の項目よりも、むしろ昆虫と魚の分野で取り扱われた”クチクラ”と”キャッチ筋”という物質が印象深かったです。



クチクラというのは、骨を体の内側に内骨格として収めている我々哺乳類と違い、昆虫など外側に外骨格を形成している生物の骨の主成分です。


内骨格と比べてコストがかかることが目に見えている外骨格形成ですが、その分軽さや丈夫さは目を見張るものがあります。


クチクラとは死んだ細胞が基になっていますが、コレはベニヤ板のように繊維状に形成されており、全方向から力が加えられても耐えられるようにつ作られている優れもののようです。


そんなクチクラですが、デメリットもあります。通常の骨とちがい、外骨格はいちど形成されると手直しが効きません。そのために昆虫が成長のために行うのが脱皮です。


しかし、昆虫の呼吸器官、気管も外骨格として形成されてしまっているので、気管の脱皮に失敗してしまうと死に至ります。


これが脱皮に失敗すると死んでしまう理由の一つのようです。


また、階やウニ、ナマコの体にはある組織が組み込まれています。キャッチ筋およびキャッチ結合組織です。


簡単に説明すると、いったん収縮した筋肉は力をゆるめると元の状態に戻ります。


しかし、キャッチ筋はいったん収縮した筋肉がロックする構造になっているため何時間でも強い力で収縮していられるという効果を生み出します。


コレを上手く活用しているのが貝類やウニです。キャッチ筋で貝を閉じることにより、何日でも強い力で身を守ることができ、ウニは棘の方向を調整して狙いを定めたら、しっかりと棘を固定します。


ナマコは体全体をキャッチ結合組織で形成することでスライム状にしたり硬化したり、自在に自身の形を変えることができます。これにより岩陰に自身を深く食い込ませて外側を硬化させることで要塞のような機能を果たしたり、外側を硬化して中心をスライム状にする事で分裂するというアメーバのような芸当を可能としています。


昆虫や魚はその多様性により様々な役割を持つクチクラやキャッチ組織をもつ生物がいます。そして人類に確認された生物もまだまだたくさんいます。


こう考えると、自分にも何か斬新な機能をもった新しい生物を見つけられるかもしれないと想像力を掻き立てられます(笑)



ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)
ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)本川 達雄

中央公論社 1992-08-01
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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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