「留学すれば英語が話せるようになる」を考え直させる一冊

留学で人生を棒に振る日本人―“英語コンプレックス”が生み出す悲劇 (扶桑社新書)



タイトル 「留学で人生を棒に振る日本人」

栄陽子(著)
扶桑社


「留学すれば英語力が上がる」


「自身を英語漬けにできる環境を作るには留学が一番」


私たちが持っている留学のイメージはこんな感じではないでしょうか?


もちろん留学することにより、机上で学ぶ英語では習得できないスピーキングや実践的な英語を学ぶことができることは言うまでもありません。

一年間デンマークで学んでいた私としても留学は費用対効果の高い投資と言えると思います。


しかし、留学する前に留学システム、そして他国の教育精度といった情報をしっかり吟味して挑まないとかなり危ないことになるというのが本書の趣旨です。


この本のキーワードとなるのが「コミュニティ・カレッジ」や「ワーキングホリデー」、「州立大学」や「ホームステイ」といったものです。


私もこの本を読む前までは知りませんでしたが、アメリカには「コミュニティ・カレッジ」という州立大学があります。


一見するとカレッジという単語が入っているので大学というイメージがありますが、じつはこのコミュニティ・カレッジとは低所得者がアルバイトやパートをしながら職業訓練などを行う教育機関なのです。


そうとは知らずにマルチ商法まがいの留学案内業者にノせられて、言われるがままに留学したらコミュニティ・カレッジに来てしまったという事例が多くあるというのです。


ちなみにコミュニティ・カレッジを留学先に選ぶ一番の国は日本で、最近ふえている中国やインドの留学生は、まずコミュニティカレッジを留学先には選ばないようです。


他にもワーキングホリデーやホームステイについてよく知らないままに現地に赴いて、痛い目に合う例が本書には多数記述されています。


上記の項目に共通しているのが「英語至上主義」の考えです。「英語力を上げたい」「英語さえ話せれば安泰」といった考えを盲信するあまり、怪しい業者の言われるがままに留学プログラムを組んで留学するというパターンが成り立ってしまっているというのが原因だと著者は言及しています。


留学の目的にろくなビジョンを持たないで「英語が話せるようになりたい」という漠然とした理由だけで、何も考えずに留学するからこうなるのだと思います。


明確な目的があれば、「自分の目的を達成するためにこの学校はふさわしいのか」と調べたくなるのが人間の心理で、間違っても調べもしないで現地に赴くという事にならないはずです。


ワーホリやホームステイをして、「なんか違った」という結末になるのはこれが原因だと思います。


そもそも英語を話せるようになるだけに留学に行くという事が間違いだと思います。それもあっては私は大学時代に留学先として英語圏は選びませんでした。


英語を学ぶだけなら日本でも十分可能です。SKypeを使って海外にいる人と話したり、英語で書かれた文章を読み漁ったりしておけば「あぁ時間さえあればこれだけでも英語は習得はできるね」という手ごたえはあります。


しかし、留学は自国以外の文化や考え方を学ぶ事ができるかで真価が問われると思います。「なんでデンマーク人は一日3~4時間ぐらいしか働かないのに日本の平均年収より多くもらってんだ」とか「なんで高校にビールが飲めるバーがあるんだ」といった日本にはないブッ飛んだ刺激を得ることで、人間的な成長を促すことが目的なのではないかと思うのです。


もちろん英語を話せるようになるために留学するという動機自体は否定しませんが、それだけでは少し残念な気がします。


これからの時代、アジアや中東がホットスポットになる可能性が大きいので、もう昔の留学の価値観は捨てて、もっとブッ飛んだ国に留学するというのもアリなのではないでしょうか。


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ジャンル : 本・雑誌

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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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