肺の解説書であり家庭の医学書的なヤツ

肺の話 (岩波新書)



タイトル 「肺の話」
木田厚端
岩波新書


1997年に出版された本書は、肺に関する解説を交えながら、そこから発生する疾患を紹介していく一冊です。今からおよそ20年前に出版された新書ですが、基本的な項目がしっかり取り上げられていて、あまり時代を感じさせない良書だと思います。

序盤は肺がどうやって動くのか、どうやって血液中のガス交換を行うのか、肺胞はどうやっていできているのか、などのメカニズムを解説しています。


もともとこの項目が目当てで購入した部分が大きい私としては、もう少しページを割いてほしかったのですが、おおかたの仕組みは理解できたので良しとしたいと思います(笑)


印象に残ったのは、マラソンや水泳などの持久系のスポーツををしている選手は心臓の壁が厚くなったり、容量が大きくなったりする「スポーツ心臓」という形態になることがありますが、肺の場合はスポーツをしたからと言って肺胞の数が増えたりすることが無いようです。


幼少期に標高の高いエリアで住んでいた場合は肺胞の数や容量が大きくなることがあるようですが、スポーツで後天的に鍛えることができる臓器ではないということです。よって肺に関しては、いかにダメージを与えないようにするのかがスポーツで活躍できるか、または長生きできるかにかかっているようです。


中盤から終盤までは肺に関する疾患を取り扱っています。


肺気腫や肺結核、肺がんから肺繊維症などの歴史やメカニズムを、著者の医師としてのキャリアで遭遇した症例も交えて分かりやすく紹介しています。


1900年前後はやはり肺からくる疾患はそうとうな割合で死に至っていたらしいですが、ペニシリンなどの抗生物質が開発、実用されることにより現代にかけて徐々に死亡例が減少していったようです。


しかし、医学的に進歩した現代にいたっても油断ならないと著者は終盤で警告しています。寿命が圧倒的に延びたことでそのぶん免疫力が落ち、高齢者を中心に低下していた肺結核などの割合が増加傾向にあるというのです。


また、ペニシリンなどの薬物を投与する治療法は副作用が上回る可能性もあるらしく、そのため体力が衰えた高齢者に対しての治療は危険と判断されることがあるようです。


そのため人間ドッグを定期的に受信したり、咳や風に症状が何か月も続くようならば早めに病院に行くことが、早期発見につながると著者は言います。


さいわい私はまだ高齢者と言えるほどほどの年齢を重ねていませんが、タバコを吸わない、ほこりやダニをできるだけ部屋に留めないなど、今からでもできることはありますので、まめにやっていこうと思います。

スポンサーサイト



テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

最新記事
カテゴリ
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる