ハトの「あの謎」を暴いたA級ニッチ本

岩波科学ライブラリー ハトはなぜ首を振って歩くのか





タイトル 「ハトはなぜ首を振って歩くのか」
藤田祐樹 (著)
岩波科学ライブラリー



この本は、何気ない疑問に思った事を調べた著者が書いた「なぜハト(だけでなく多くの鳥)が首を振りながら歩くのか」という事に迫った書です。




もともと人類学を専攻していた著者でしたが、動物の飼育や観察が好きらしく、バードウォッチングなども大学在学中に頻繁に行っていたそうです。そこで鳥の歩行について研究するということを決心されたらし、周りの友人にそのことを話したところ、「なぜハトは首を振って歩くの?」とよく聞かれたらしく、それがきっかけでハトの歩行の研究を始めたそうです。


本書を読み終えて、ハトの首振りの理由がしっかり理解できた満足感が得られたと同時に複雑な気分になりました。


幸いにもその原因はすぐに分かりました。「いつから私は、疑問に思った事を調べるという事をしなくなったんだろう」という疑問が頭の片隅に浮かんでいたのです。


私に限らず、幼少期は「なぜコレはこうなってんだろう」ということを考えることは常で、よく両親に質問していたのではないでしょうか。


「なんで鳥は飛べるのに人間は飛べないの?」とか「なんで鼻の穴は2つあるの?」など、聞きたいことは何でも両親に質問していました。それが大人になるにつれて極端に質問することが少なくなりました。「質問しなくなった代わりに、自分で図書館にでもいって調べているのか」と言われたら、そういうわけでもありません。


質問しなくなった理由はいろいろあるのでしょう。


「どうでもいい質問はするな」とうんざりした両親に怒られたり、「周りのみんなに合わせて、言われたことをきっちりやりなさい」と小学校の先生に教えこまれたり、普段の生活の忙しさをさばくのに必死で、そんな疑問が浮かぶヒマさえないからかもしれません。


しかし問題なのは、情報を取り入れようとする行為を怠っているという事で、それは自分の成長を止めているということに他ならないのではないでしょうか。


そうやって私たちを質問できない状況、自分たちで考えさせないシチュエーションに追い込んで、「社会の理不尽さについて考えさせないようにすることが目的なのではないか」と、陰謀を疑ってしまうレベルです。


対して、そういった疑問に何の迷いもなく(あるいは本能のまま?)すぐに調べられるその実行力の高さと自由さは自分も見習わなければならないと思います。


この本はタイトルにある「なぜハトは首を振って歩くのか」という疑問にしっかりと答えくれます。しかしそれ以上に、私は著者の鮮やかな回答が「これをきっかけにキミたちの世界を広げられるように」と私たちにハッパをかけてくれているような気がするのです。



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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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