ナショナリズム:トランプやヨーロッパ極右政党の原動力

ナショナリズム入門 (講談社現代新書)




タイトル 「ナショナリズム入門」
上村和秀 (著)
岩波現代新書



トランプ大統領がヒラリー・クリントンを破ってアメリカ大統領になったことは我々に衝撃をもたらしました。


しかし事はそれだけにとどまりませんでした。異議るのEU離脱、オランダ、フランス、デンマークなどヨーロッパの極右政党がトランプ大統領の影響で躍進しています。


この本は、こういった極右に属する人物たちが内に秘めているナショナリズム的な考えを初歩から学ぶために書かれた一冊です。


ナショナリズムを学ぶにあたり、まずは「ネイション」と言うものを遅疑する必要があります。しかしこのネイションと言うものを現在は包括的に定義できません。それぞれの国の文化や地理的条件により考え方が違うからです。


とはいえ、それを言ってしまえば永遠に議論が進まないので、有名な学者の定義をコンプライアンスとして用いているのが実際のところです。その一人がドイツの歴史学者であったフリードリヒ・マイネッケです。



彼はネイションを歴史的に見て、ネイションを文化的なものと、土地的なもので区別することにしました。


この点に関して、日本のナショナリズムはとても定義しやすくなっています。日本は島国であり、単一民族で日本語を話すため、グループ分けがしやすいからです。


一方、大陸の上にあるヨーロッパを見てみると、国境があいまいで戦争や内戦により国民の行き来が激しい国、しかも民族に違いがあり複数の言語を話すとなればネイションの定義はとても難しくなります。


しかし、その土地ネイションと民族ネイションの二つを上手くまとめあげたのがアメリカです。アメリカ開拓当時は様々な民族が入り混じり、どうやって自分たちをまとめあげるかを考えた時に「民族ではなく、自由や民主主義という思想を持ち合わせている人はもれなくアメリカ人としよう」という事にし、そしてそれは成功しました。


しかし、産業革命によりアジア人や東欧民族が大量に流入すると、もともといた「初期の移民たち」の職が奪われ始め、コレを憂いたルーズベルト大統領は移民を制限する法律を制定し始めました。


そこまでしてネイションを形成する必要は何なのかという話になりますが、国家の団結に繋がり他国との競争力が促進されるなどのメリットはあります。しかしそれと同時にナショナリズム的考えは「自分たちの方が相手より優れている」という認識のもとに成り立っていますので、常に敵を作り続けなければならないという一種の緊張状態が付きまといます。それがナショナリズムと愛国心との決定的な違いです。


こう言った点を踏まえながら現在のナショナリズム的ムーブメントを見つめると、より本質がつかめやすくなるのではないでしょか。
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テーマ : こんな本を読んだ
ジャンル : 本・雑誌

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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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