英語至上主義の日本教育に「これでいいのか」を突き付ける本

英語の害毒(新潮新書)



タイトル 「英語の害毒」
永井忠孝 (著)
中公新書



このブログはアニメを英語の吹き替えで観て、英語を勉強するというのがコンセプトの一つです。


ブログの他にも本屋さんをのぞいてみると、TOEICの参考書が平積みされて売れ行きも上々で、小学校低学年から英語を学ばせようという早期教育を政府は提言し、着々と進んでいます。


しかし、この本はそういった英語推進ムーブメントを英語圏の侵略と言ったニュアンスを含ませ、日本人が英語を習得しようとすることがいかに不利な事であり、対して英語圏に経済的な恩恵を与えているかを説いた一冊です。


イギリスの首相だったウィンストン・チャーチルは言いました。


ベーシック英語を普及させることは、イギリスにとって広大な領土を併合するよりもはるかに永続的で実り多い利益になる




実際に英語を普及させたことにより、イギリスやアメリカが受け取った戦後の植民地活動、および経済的な恩恵は計り知れません。


シンガポールやインド、フィリピンを英語圏の国が植民地化したことにより、これらの国は英語が公用語または広く普及していますが、この事により英語話者と非英語話者の関係がそのまま「第一の市民」と「第二の市民」という関係に転換されました。


そして自分たちの言語を取り上げられた国民は「第二の市民」というレッテルを張られる だけでなく、身体的な不利益をこうむることになりました。


例えばシンガポールは小学校一年生から英語と民族語である中国語に授業の大半をさいていますが、ふたを開けてみると英語と中国の両方を完璧に使いこなすことができる「プロフィシエント・バイリンガル」はおよそ一割しかおらず、大半はどちらの言語も低い水準でしか操れない「セミリンガル」または「ダブルリミテッド」であるとのこと。


小学校低学年からの英語教育を導入した国の良い例としてシンガポールは取り上げられがちですが、実際は利益と不利益どちらが大きいか分からない状況のようです。


エスキモーも、自分たちの文化や言語を英語圏に合わせたことにより自分たちの文化が荒廃し、言語や文化と言ったアイデンティティーを失った事でアルコール中毒や教育機関の中途退学者、自殺率が群を抜いて高くなってしまい、社会問題となっています。


また経済面から見てみても、英語は毎年莫大な利益を享受しています。


TOEICやTOEFL、IELTSを見てみても、日本では昇進試験や留学時に必要な指標として受けさせるように政府ぐるみで推進していますが、この英語試験を受けさせることで英語圏のNPOに毎年何百億円の資金を与えている というこのになるようです。


そんな状況ですが、中国が世界に台頭しはじめ、またアメリカ国内にいるスペイン語話者の数がスペインにいるスペイン語話者よりも多いという状況が顕著になりつつあり、世界の中心であった英語圏の力が弱まっています


今日、われわれが必死こいて英語を学ぶ必要が本当にあるのかと言う疑問を、世界の世情を確認しながらあらためて吟味する必要があるのかもしれません。


何よりも私たちの第一言語である日本語に誇りをもって、何を差し置いてでも完璧に習得するという事が大切だと思います。
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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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