アウンサンスーチー: ビルマを民主化に導いた「将軍」の娘

アウンサンスーチーのビルマ――民主化と国民和解への道 (岩波現代全書)


タイトル 「アウンサンスーチーのビルマ」
根本 敬(著)
岩波現代全書



NLDのトップとして、そして現在は国家顧問として実質的なミャンマーのトッとして活動しているアウンサンスーチーに関する本です。


「独立の父」としてビルマで英雄視されたボウジョウ(将軍)アウンサンの娘であるアウンサンスーチーの生い立ちと、彼女が軍事政権を打倒するに至った彼女の活動と思想が詳細に書かれています。

アウンサンスーチー女史は、ビルマ独立の主導者であるボウジョウ(将軍)アウンサンの娘として生まれ、イギリスやインドなど様々な国で暮らし、オックスフォード大学を卒業したのちイギリス人男性と結婚、一時期は専業主婦として暮らしていました。


しかし、母の看病のためにビルマに帰国したところ、当時のビルマは軍事政権が猛威を振るっており、ビルマ国民は疲弊していました。そこで革命家の娘であるアウンサンスーチーがビルマに帰国したことを聞きつけ、市民はこぞって彼女に面会を求めました。


ビルマの内情を知ったアウンサンスーチーは、ビルマ軍政の独裁政策や内紛を憂い、ビルマで活動することを決意、民政移行に向けて政治活動に参入しました。


この活動にビルマ軍政は将軍アウンサンの娘を影響をかんがみ、彼女を危険分子とみなし、3度にわたり彼女を軟禁、約15年にわたり自宅に閉じ込められました。


その間、スーチー率いる政党が国民選挙に75%の議席を獲得して大勝したものの、軍政はそれを「75%の議席を獲得した政権に公平なマニフェストを作ることはできない」としてこの結果を「無視」し、従来の政策を続けるという暴挙に及びました。


しかしアウンサンスーチーのノーベル平和賞受賞に伴う国際的支援や、各国からの軍政への非難が重なり、軍政は民政への移行を承認、彼女は自宅軟禁を解かれ、現在は国家顧問として実質的なアウンサンスーチー政権の樹立に至りました。


政権移行を果たすにあたって、彼女は「非暴力」をつらぬきました。しかし興味深いところは、彼女の非暴力の思想はガンディーのような無条件で貫く非暴力ではなく、暴力と非暴力どちらが目標にたどり着きやすいかに焦点を当てた戦略的なものであり。実際に国境付近に拠点を置いているスーチー側武装勢力の武器を使った武力活動を容認しています。


非暴力への姿勢は思想から来るのでなく戦略、時と場合により武器の使用も致し方ないという考えは、理想と現実の乖離を目の当たりにする国の指導者らしい認識だと思います。



4620321532アウンサンスーチーへの手紙
大津 典子
毎日新聞社 2012-11-30

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テーマ : こんな本を読んだ
ジャンル : 本・雑誌

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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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