ユダヤ人6000人を救った日本人スパイ

諜報の天才 杉原千畝 (新潮選書)



タイトル 「諜報の天才 杉原千畝」

白石 仁章 (著)
新潮選書



第二次世界大戦で活躍した杉原千畝に関する本です。満州勤務時にロシアに関する情報網を広げ、尻尾を掴ませない巧みさからロシアに入国を禁止されたほど警戒された人物。

入国を禁止された後はリトアニアで勤務し、ドイツに迫害されたユダヤ人に独断で超法規的にビザを発給し、およそ6000人を救ったということです。


しかし定住先も旅費もない外国人が日本に大量に入国してきたため政府はやめるよう再三に渡って杉原に電報で送ったらしいがですが、杉原はギリギリまで続けていたとのこと。すごいのは独断で動いた後も引き続き勤務しているところ。独断行動を容認してでも政府は杉原を失うのは惜しかったということなのでしょうか。


陸軍中野学校の卒業生しかり、日本は優秀なインテリジャンスを有していたにもかかわらず、上層部がそれを有効に活用できていなかったという事が、世界大戦時のインテリジェンスや陸海軍に関する書籍を読んでいたらよく話題になります。


「失敗の本質」という書籍によるとミッドウェーやガダルカナルでの海戦における敗因は日本とアメリカの物量の差との見方もされますが、あらかじめ物量面において勝ち目がないという情報を有していながら、当時の軍のイケイケな空気に背くことは非国民的な印象を与えるということで敢えて決行したという側面もあり、日本の政府および軍は根本的に情報を活用するノウハウや環境が根本的に整っていなかったのだと思われます。


失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)


その印象を捕捉するものとして、エニグマ暗号機など、先進国は暗号を用いて他の部隊や本部に状況を報告する中、日本はどういうわけか平文で送りつけたりする暴挙が横行していたらしく、それが原因で日本の内部事情はアメリカに筒抜けになったというのが敗北の遠因としてよく取り上げられています。


杉原も危険を冒してまで入手した情報を、上層部がうまく活用できていないという不満をよく同僚に漏らしていたらしいです。


ついついインテリジェンスの情報収集能力の有無に目が活きがちですがですが、まずは与えられた情報をうまく選り分け、活用できる土台を整えることが大事なのかもしれません。
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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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