ヒトラーの右腕として世界に名を轟かせたプロパガンダの怪物

ゲッベルスとナチ宣伝戦―一般市民を扇動する恐るべき野望 (光人社NF文庫)



タイトル 「ゲッベルスとナチ宣伝戦」
広田厚司(著)
光人社NF文庫


第二次世界大戦においてドイツを率いた独裁者で知られるヒトラーを、一人の側近が支えていました。


それがヨゼフ・ゲッベルス、プロパガンダの怪物として世界に、そしてドイツ人に恐れられた人物です。

彼は博士号を取得後、ケルンにある銀行で働き始めましたが、一年足らずでクビになり、その原因をユダヤ人のせいとして、反ユダヤ主義的な思想を持つようになっていきました。


この時点でヒトラーの側近となる資質を持ってしまったのかもしれません。彼は友人に誘われて、それまで政治に関心が無かったにもかかわらず、政治集会に頻繁に参加するようになり、自らも演説をするようになりました。


そしてヒトラーの演説を聞いてその魅力に取り込まれ、ヒトラーの宣伝担当として彼のそばに付くことになりました。


ゲッベルスの宣伝はヒトラーの演説方法に影響されたところも大きく、


「スローガンは新しくなくともよい、反復することで決定的な効果が得られる」




と、彼の演説の強味を抑えた宣伝方法を実施しました。


さらに彼は、新聞、ラジオ、映画など、思いつくがぎりのドイツに存在するメディアを掌握し、ドイツ市民を世界大戦へたきつけたのでした。


興味深いのはラジオを用いてのプロパガンダで、彼はドイツにほとんど普及していなかったラジオを安価なラジオを開発することで一家に一台ラジオを普及させることに成功し、第二次世界大戦が激化するにつれてゲッベルスの宣伝も激化し、ドイツ市民はそのラジオを「ゲッベルスの口」と呼んで揶揄していたそうです。


彼の宣伝方法の特徴として挙げられるのが、目的のためなら真実を歪めても一向に構わないという姿勢です。


彼の先天性の足の問題をダシに使い、虚偽で塗り固められた演説を行ったのは序の口で、自作自演で政敵を貶めるやり方は彼の十八番でした。


しかし、ドイツの敗色が濃厚になるにつれて、ドイツ市民にも反発の色が強くなり、ドイツの敗北が決定した時には、一家ともども心中を果たしました。


狂気的なヒトラー信仰を体現していたゲッベルスの大戦中の活動はすさまじいの一言で、一日17時間は優に働き、一年で何百の演説を行い、ドイツ中の新聞社をほとんど掌握した後は記事を自分の手で書き、映画の監督、選定なども行いました。


そんな彼のひそかな趣味は映画で、ドイツでは上映禁止していた、ディズニーの映画を「仮想敵国の研究のため」と称して個室で楽しんでいたとか。
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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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