織田信長に仕えた黒人侍

信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍



タイトル 「信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍」

ロックリー トーマス (著),
不二 淑子 (翻訳)
太田出版



織田信長に武士として仕え、本能寺の変といった日本史上需要な転換期を生き延びた黒人侍についての本。弥助に関する数少ない資料を多角的に分析して、彼の出自、経歴、本能寺の変以降の彼の動向を探っていく。
弥助について記述されているという確信が持てる資料が3~5点ほどしかないという状況において、著者のロックリー・トーマス氏は当時の日本と交流があった国々の社会的状況や、それに伴う奴隷貿易の動向に注意を払い、弥助の出自を突き止めようとした。著者が可能性として考えられるのが、イエズス会宣教師や信長の護衛任務に就いていたことを鑑み、アフリカの戦士として名高い一族の生まれのではないかという事だ。


のちにイエズス会の宣教師が護衛として雇って日本に赴き、そこで信長に弥助を”献上”された。


当時の日本人にとって黒人という人種は相当めずしかったらしく、噂を聞きつけた人たちが遠方からやってきて一時騒然となり、死者まで出たらしい。信長も弥助を見るなり気に入って、正式に信長の直属の侍としてそばに置いたという。


弥助の出自の性質上、著者は日本だけでなくヨーロッパやアフリカにも調査範囲を広げなければならなかったことは想像に難くない。弥助に関する資料が少ないとはいえ、翻すと様々な可能性を考慮に入れて調査しなければならず、彼の動向を突き詰めていく作業は相当の時間を要し、著者自身もあとがきでその奥深さに驚かされたと言及している。


当時の海上貿易は名の無い人物が一攫千金を獲得するための一大イベントとしての側面も有しており、実際に多くの人物がその賭けに成功し、末代まで遊んで暮らせる富を築き上げた。


ポルトガルも当初は弱小国と認識されていたにもかかわらず、国を挙げて海上貿易にのり出したことが功を奏し、国力が以前とは比べ物にならないほど増大した。


またそれに乗じて海賊も急増したらしく、たとえば日本周辺で跋扈していた倭寇も、日本人や中国人、ドイツ人やアフリカ人といった混成型だったらしい。
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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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