小林さんちのメイドラゴン: パワーハラスメントはネイティブに通じない?

第5話で、小林さんの上司が理不尽な要求を突き付けて、「何だこのハゲ、埋めてやろうか」と、私以外に思った方もいるのではないでしょうか。


さいわい小林さんの破壊工作(?)が成功して、私たちが手にかける必要がなくなりましたが、他の同僚の何気ない会話が、私の興味を引きつけました。


日本語版では、小林さんの同僚は、


「所長、パワハラでクビになったって。証拠の録音、社長に送り付けられたとか」


と話していました。


コレが英語の吹き替えになると


"I heard someone got the chief canned for abusing his power. Apparently the director got an anonymous recording proving it"


となっていました。



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©クール教信者・双葉社/ドラゴン生活向上委員会


この訳はオリジナルに充実で、ほとんど同じと言っていいかもしれません。


前半の文の"Get canned"は英語で「クビになる」という意味で、"Abusing"は「乱用する」です。


後半の分の"Apparently"は「一見したところ」や「~らしい」という意味があり、"Anonymous recording proving it"は匿名の記録という意味になり、意訳をすると「タレこみ」という事になるのでしょう。


関係詞が recording と proving の間にありませんが、関係詞はよく略されるので今回もその類でしょう。


よって、上記の訳は;">「私は誰かがチーフを職権乱用でクビにさせたと聞いた。どうもディレクターが匿名の記録(たぶん録音)を手に入れたらしい」


という風になります。


ただ、一か所だけ奇妙なところがあります。


パワーハラスメントという単語が使われていないということです。


英語であるはずのパワーハラスメントを、わざわざ回避して違う言い回しで表現されているのです。


使われない可能性として考えられるのは、


パワーハラスメントは日本語英語で、英語圏ではそんなに使われていない


ということです。


さっそくWikipediaでパワーハラスメントを調べてみると、Power harassmentという項目自体は英語ページにもあるものの、読み進めていくと、やはりパワハラは和製英語のようです。


Although the phenomenon power harassment is not uniquely Japanese, since it has occurred in many environments, the term is a Japanese coinage.




「パワーハラスメントが和製英語なら、じゃあセクハラも和製英語なのか?」


という疑問も出て来るかと思いますが、


セクシャルハラスメントは正真正銘の英語です。


もうお察しかと思いますが、セクシャルハラスメントという語を日本が輸入されて、それを日本人が独自に派生させていったという風に考えるのが自然でしょう。


一部の方は「外国語を日本語にムリに挿げ替えてけしからん」という見解をお持ちですが、輸入された外国語を積極的に取り入れて、最終的にそれを日本語に馴染んだ語に変えてしまう発想の豊かさは個人的にスゴいと思います。


ちなみに、私が和製英語だと知って一番おどろいたのは「キーホルダー」です。



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くりーぴーホワイト

Author:くりーぴーホワイト
外資系企業に就職したものの、上司の英語が全く理解できないため、英語吹き替えアニメで英語学習する方法を発案して実行中。読書メモも兼ねてなるべく頻繁に更新するよう努めている今日この頃。

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